MKA変換機マニュアル
ダウンロードありがとうございます。最新版、使用例はホームページで公開しています。
「パソコンで高音質ジュークボックスをつくる 〜MKA(マトリョーシカオーディオ)〜」を参考にしてください。
周りのソフトの使い方や便利な使い方など、随時更新していきますのでホームページも見てください(__)
■はじめに
MKA変換機は簡単にMKA(Matroska Audio、マトリョーシカオーディオ)ファイルを作ることを目的としたソフトウェアです。初心者の方にも便利なMKAを体験していただこうと思い作成しました。
■Matroska Audio、マトリョーシカオーディオとは
2004〜2005年にかけて注目されてきている新しいオーディオ形式です。実際にはMatroskaというコンテナに各種音楽ファイルを入れているものです。チャプター(トラック)に対応しているので1枚のCDのように管理できます。本ソフトでは圧縮形式にロスレス圧縮(CDと同音質、オリジナルのファイルに復元可能)のTTA(TheTrueAudio)を使用しています。マトリョーシカ、TTAの二つの技術を使いMKAを作成できます。イメージ的には「完全CD音質の音楽ファイル」という感じです。作成したMKAファイルはfoobar2000という再生ソフトで再生できます。
■MKA変換機のおもな機能
MKA変換機は次の変換に対応しています。
・ cue+wav(Exact Audio Copyで作成したもの)→mka(内部圧縮形式TTA)
・ cue+tta(Exact Audio Copyで作成したもの)→mka(内部圧縮形式TTA)
・ mka(内部圧縮形式TTA)→cue+wav
Exact Audio Copyのインストール方法、使い方は
MUSIC PCで解説しています。
■MKA変換機の特徴
よく分からない場合は読み飛ばしてもらって結構です。
・ Cueシートの文字コードをUTF-8に変換後、Matroska変換を行う(「〜」とかも正確に変換、文字化けもしないはず)
・ Cueシートからタイトルを読み取るので入力の手間が省ける
・ 1CD,1ファイル管理ができる
・ TTAロスレス圧縮を用いているので音声が劣化しない(元のCDに戻すことができる)
・ 末尾1サンプル消失問題もタイムコードを変えることである程度対応(完全ロスレス)
ファイルチェックモード(MKAデコード→CRC16比較→TTAが一致しない場合タイムコードを変えて再MKA変換)
・ マルチアタッチメント対応で複数ファイルを添付することができる
・ エクスプローラーでジャケット表示可MKAファイル作成
・ 変換前にHDDの容量チェックを行う
■インストール&アンインストール
インストールは適当なフォルダに解凍するだけです。アンインストールはMKA変換機のフォルダごと消せばOKです。ただし、MKA変換機ではDOS制御で「ATLDos.dll」というDLLを使っています。こちらはソフト起動と同時にWindowsのシステムフォルダーにコピーされますので完全にアンインストールしたい方は「ATLDos.dll」も削除してください。レジストリはソフト起動中に1部追加されるところがありますがソフト終了時に追加部分を削除しますのでレジストリを汚すことはないです。
MKA変換機の下位フォルダにあるttaencやmkvtoolnixは基本的に手動で更新(最新版に差し替え)しても大丈夫だと思います。万が一、フリーズや不都合があった場合連絡してください。また〜バージョンで動いたという報告もあればお願いします。
注:VisialBasic6.0製のソフトですのでVB6ランタイムが必要です!
■MKA変換機の詳細な機能説明
MKA変換機はなるべく直感的に使えるようになってますので機能的に分からないようなことがある場合のみここを読むといいと思います。ちょっと内部的な話になるところもありますが、分からないときは読み飛ばしてください。逆にさらに詳しくmatroskaが分かる方はいろいろ意見いただけるとありがたいです。
1.CUE/MKA(内部TTA圧縮)ファイル
参照をクリックしてCUEシート(*.cue)またはMKAファイルを指定します。CUEシート(cue+wav
, cue+tta)を指定した場合はMKAへ変換、MKAファイルを指定した場合はcue+wavへのデコード(逆変換)となります。ここで対応しているMKAファイルは内部圧縮形式がTTAのものだけです。
2.ジャケット画像(オプション)
MKAファイルにジャケット画像を添付したい場合は参照をクリックして画像ファイル(jpg)を指定します。オプションですので必要ない場合は指定しなくてOKです。ここで添付した画像ファイルはcover.jpgというファイル名でアタッチメントファイルとして添付されます。またMatroska
Shell Extensionをインストールし、Windowsのエクスプローラーで表示形式を「縮小版」にすると、ここで指定したファイルが表示されます。
3.アタッチメント[添付]ファイル(オプション)
MKAファイルにアタッチメントファイルを添付したい場合は追加をクリックしてファイルを指定します(複数選択可)。オプションですので必要ない場合は指定しなくてOKです。クリアをクリックすると指定したファイルを全部クリアします。ログや歌詞、ジャケット以外の画像等好きなファイルをいくらでも添付できます。(Matroskaはコンテナといわれる入れ物なのでこういうことが可能です)ただし、ファイル名に日本語(全角文字)が含まれていると添付できない(文字化け対策)ようにしてありますので、添付するファイルはすべて半角文字で用意してください。添付したファイルはMatroska
Shell Extensionをインストール済み状態で、MKAファイルを右クリック→プロパティ→Matroska
Attachmentsタブより抜き出すことができます。
4.保存フォルダ
参照をクリックして保存するフォルダを指定します。CUEシートあるいはMKAファイルを指定した時に空欄だと自動的に変換元ファイルと同じフォルダが指定されます。
5.設定(チェックボックス)
□変換後に元ファイルを削除
そのままです。変換後に変換元のファイルを削除します。またアタッチメント等も指定している場合削除されます。一度削除すると元に戻すことはできないので不安な方はチェックを外しておいてください。
□オリジナルCUEシートを添付
MKAファイルはデコード(逆変換)するとCUEシートが元のオリジナルのものとは違うものが出てくることがあります。(これはMatroskaの仕様なのでどうしようもないです)。普通にCDを焼く場合は問題ないのですが、CUEシートからCD-TEXTを付けて焼く場合はオリジナルのCUEシートから焼く必要があります。(CDタイトルと1曲目が同じCDの場合、1曲目のタイトル、パフォーマーが消えてしまうため)そのためオリジナルのCUEシートを添付する機能を付けています(チェックが入っていると添付されます)。MKAファイルを右クリック→プロパティ→Matroska
AttachmentsタブよりOriginalCue.cueを抜き出して使います。
□出力ファイル名をCUEシートから取得
チェックを入れるとCUEシートからCDタイトル、パフォーマー名を読み取り、「[アーティスト名]CDタイトル.mka」のファイル名で出力されます。
□ファイルチェックモード(完全ロスレス)
TTAを使ったMatroskaAudioでは「(tta+cue).mka
サンプル数ロスト問題」があることが分かっています。今のところMatroskaの仕様ということにしていますが、今後どうなるかわかりません・・・。現象としては入力したファイルとMKAファイルから抜き出したファイルが一致しないというものです。(抜き出したWAVEファイルの最後の1サンプルが消滅する場合が多い)これは波形的には一致するのですがファイル的にはロスレスではないということになります。せっかくTTAというロスレス技術を使っているのに違うファイルがでてくるのも気持ちが悪いのでこの機能をつけました。ただし、チェックをいれると変換時間が長くなり、HDD容量を多く使います。またチェックを入れたとしても完全ロスレス変換ができない場合があります。EACで言うとオフセットぐらいの微妙なレベルの設定項目なのであまり気にしない人はチェックは入れなくてもいいです。
チェックを入れた場合は次のような感じで動きます。(タイムコードを変えることである程度ロスト問題を解決できる)
MKAデコード→CRC16比較→TTAが一致しない場合タイムコードを変えて再MKA変換(CRC16が一致するまで繰り返し)
タイムコードは 22676 , 52340 , 22674 , 52341 , 52342 , 22675の順番で入れ替わっていきます。
大抵のファイルはこれでうまく変換できるはずです。(ここまで解決するのに半年ぐらいかかりました^_^;)
6.変換
クリックすると変換を開始します。
7.バージョン情報
バージョン情報、使用外部ソフトの紹介を表示します。
8.MKA環境状況
MKAファイルを再生するにあたってパソコンの環境が対応しているかどうかを表示します。下図のウインドウが開きます。
・foobar2000インストール
再生ソフトのfoobar2000がパソコンにインストールされている場合はOKがでます。
・MKA対応 foo_tta.dll,foo_matroska.dll
foobar2000のプラグインがMKAに対応している場合はOKが出ます。foobar2000をインストールしただけではMKAは再生できません。対応したプラグインが必要です。NGが出ている場合は「書き換え」をクリックしてください。これだけでMKAファイルをfoobar2000で再生できるようになります。
・Matroska Shell Extension
エクスプローラーで画像を表示する場合や、アタッチメントを抜き出す場合、さらにMKAファイルの詳細プロパティを見れるようにするMatroska
Shell Extensionがインストールされている場合はOKがでます。NGが出ている場合は「インストール」をクリックしてください。するとMatroska
Shell Extensionのインストーラーが起動します(注:英語です)。通常はデフォルトのままインストールすればOKです。
9.終了
MKA変換機を終了します。設定の保存や終了処理に多少時間がかかる場合があります。
■使い方例
1.EACでCDイメージを作成する。(CDDBから曲情報を取得してCUEシートに出力しておく)
2.MKA変換機を起動し、CUE/MKA(内部TTA圧縮)ファイルの参照をクリックし、変換するファイルを選ぶ。
3.ジャケット画像を添付したい場合は参照からファイルを選ぶ(cue+wav,cue+ttaからの変換のみ有効)
4.保存フォルダの参照をクリックし、保存するフォルダを選びます。
5.変換ボタンをクリック。処理完了が出るまでお待ちください。
■Special Thanks
MKA変換機を作成するにあたってお世話になったソフト開発者様に感謝します。
MKA変換機で使用している外部ソフト、内部で用いているクラス等
・MKVToolnix(マトリョーシカ変換)
http://www.bunkus.org/videotools/mkvtoolnix/
・TTA Lossless Audio Encoder/Decoder(TTAロスレス変換)
http://www.true-audio.com/
・nkf32.dll(漢字コード変換フィルタ)
http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se295331.html
・ATLDos.dll(DOS制御)作者 FukuRiko 様
http://www2.netf.org/
・compenc.dll(CRC比較)作者 Skyway 様
http://www.nmt.ne.jp/~network/skyway/
・REGSVR32クラス 作者 ZAKOP 様
・Matroska Shell Extension
http://www.matroska.org/downloads/shellextension/index.html
■免責
このソフトウェアはフリーソフトで公開しています。著作権は作者が保有します。このソフトを使用し、何らかの損害が生じたとしても作者は責任を負えません。すべて自己責任で使用してください。
■更新履歴
05.11.06
Ver.1.0.405 変換前にHDDの空き容量チェック機能追加。稀に変換途中に誤動作するバグを修正。MKA環境状況を追加→foobar2000の再生環境をすぐに作れます。Matroska
Shell Extensionもパッケージの中に追加し、MKA変換機からインストーラを起動できます。
05.10.17
Ver.1.0.376 複数アタッチメントファイルに対応。ファイル名に日本語(全角2バイト文字)が含まれていると文字化けするため、半角1バイト文字のファイル名のみアタッチできます。ファイルが復元できず消えてしまう可能性があるバグを修正。
05.10.10
Ver.1.0.352 NFK32.DLLのバージョンが古い場合、エラーがでるように改良。システムフォルダに旧バージョンがある時は最新版と入れ替えてください。外部プログラムのパスが取得できない場合無限ループに入り終了できないバグを修正。
05.10.03
Ver.1.0.330 MKA変換機 公開。